日本共産党

2004年5月10日(月)「しんぶん赤旗」

統治評議会に対抗組織

米のイラク占領拒否

民族、宗派こえ「国民会議」


 【カイロ=小泉大介】イラクの首都バグダッドで八日、イスラム教シーア派とスンニ派の宗教者、クルド人組織代表、大学教授、人権活動家、個人など約五百人が参加し、「イラク建設国民会議」が開催されました。同会議は、占領の早期終結とイラク人自身による国づくりをめざし、民族、宗派の垣根を超えた共同の第一歩となるもので、六月末期限の「主権移譲」に向けた今後の動きが注目されます。

 国民会議には、日本人人質解放に尽力したイラク・イスラム聖職者協会(スンニ派)、アラブ国民運動、民主改革党、統一国民運動、クルディスタン・イスラム運動、シーア派の影響力が強いイマム・ハリシ大学など多様な政党、組織の代表が参加。米占領当局任命のイラク統治評議会参加政党は加えていません。

 会議では、シーア派とスンニ派の宗教者による「統一イラク聖職者協会」の設立も発表されました。協会の設立を発表したのは、イマム・ハリシ大学代表でスンニ派との共同礼拝を行ってきたシーア派のジャワド・ハリシ師。同師は主権移譲に向けて、イラク訪問中のブラヒミ国連事務総長特別顧問と協力関係を築きたいと表明しました。

 また、同協会のダーリ広報担当は「われわれはブラヒミ氏に対し、占領当局の影響下にある統治評議会を(主権移譲後の暫定政権から)完全に排除すべきだと伝える」と述べました。

 ダーリ氏は、幅広い人々が国民会議に結集したことについて、「多くのイラク国民が占領を拒否している」と述べ、今後、常設の事務局を発足させ活動を本格化させていくと語りました。

 クルディスタン・イスラム運動のアブド・アルアジーズ氏は会議で、米軍の包囲下のファルージャやナジャフ、カルバラなどの住民に連帯を表明。「イラクとイラク国民のすべての利益をめざし共同を進めるために参加した」と述べました。

 部族長を代表してあいさつしたサラー・ファリーク氏は「イラクを占領する悪の力が撤退することを要求する」と呼び掛け、個人参加のアブド・アッラー氏は「この会議の憲章の第一条は、占領を拒否することである。米軍はその醜い拷問によっても、大量破壊兵器を発見できずにいる」と強調しました。


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