2004年5月11日(火)「しんぶん赤旗」
民主党の菅直人代表は十日、党本部で開いた両院議員懇談会で、みずからの国民年金未加入の問題について「国民、わが党のみなさんに不信を高め、迷惑をかけた。私の責任はきわめて大きい」とのべ、代表の辞任を表明しました。菅氏の辞任表明後、三党合意の了承をめぐって議論され異論が相次ぎましたが、対応は執行部に一任されました。両院議員懇談会後に開かれた役員会では三党合意を了承。岡田克也幹事長は記者会見で、新代表選出を十四日の両院議員総会で行うと明らかにしました。
菅氏は発言のなかで、民主党執行部が自民、公明与党との間で交わした「三党合意」に対し「多少の迷いはあった。短い時間のなかで決断を迫られた反省もある」と手続き的な問題を認めました。一方で「党と党で合意したものだ。それを生かすか白紙に戻すか、交渉担当者とともに判断したことを理解してほしい」と了承を求めました。
両院議員懇談会に先立ち、鳩山由紀夫前代表を支持するグループは三党合意を了承しない方針を確認。小沢一郎代表代行を支持する旧自由党系議員も、三党合意の白紙撤回と執行部の刷新を要求するなど、三党合意の矛盾が表れました。
菅氏は閣僚の国民年金未納問題が発覚して以降、「未納三兄弟だ」などと政府・与党を強く批判。ところが、民主党の「次の内閣」議員の保険料納付状況の公表で菅氏自身の厚相在任時代の未加入が判明し、一転して窮地に追い込まれました。