2004年5月11日(火)「しんぶん赤旗」
【ハノイ=北原俊文】ホーチミン市労働総同盟機関紙「勤労者」週末版(八・九日付)は、イラクのアブグレイブ収容所での米軍によるイラク人拷問・虐待について論評を掲載し、実際に起きていることからすれば、米大統領がイラクに人権と民主主義を回復すると述べた戦争の目的は「幻想にすぎない」と断じました。
同論評は、ベトナム侵略戦争中に起きたソンミ村での虐殺にも言及し、「発表された写真が全世界にショックを与えたのは、米軍の歴史で、今回が初めてではない。全世界の平和を愛する人々の良心を揺さぶった、ミライ(ソンミ)での虐殺事件やチャンバンでのナパーム弾による子どもの焼殺事件。その写真をともなったベトナムでの残虐な戦争を人々は忘れてはいない」と指摘しました。
同論評はまた、「米国は、流血に満ちた戦争にますます深入りしている。それに加えて、戦争の大義に関して、世論、アラブ世界、イラク人自身からのますます大きな挑戦に直面している」と指摘しました。