2004年5月12日(水)「しんぶん赤旗」
【ロンドン=西尾正哉】国際的な人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは十一日、報告書を発表し、英軍兵士が武器使用の必要もないのに八歳の少女を含む多数のイラク市民に発砲、殺害したと告発しました。
報告書は、バスラを中心とするイラク南部で二月九日から三月四日まで行った同団体の現地調査をもとにまとめられたものです。
報告書は「英軍兵士がイラク市民を殺害した多くのケースでは、顕著な脅威がない状況だった」「ほとんどのケースで武器使用が必要とは思われない状況で兵士たちは武器を使用し殺害している」と主張しています。
具体例として報告書は、英軍兵士が昨年八月、友達と遊んでいた八歳の少女に照準を当て発砲。少女は腹部に被弾し、病院に運ばれましたが死亡したといいます。英軍は、パトロール中の兵士に投石があったため威嚇射撃したと遺族に説明しましたが、目撃者は投石などはなかったと語っているといいます。
報告書はまた、明らかになっている三十七件の英軍兵士による殺害事件では、十八件が調査されたにすぎないとしています。