2004年5月14日(金)「しんぶん赤旗」
二〇〇〇年四月から実施されている介護保険。重い利用料負担、基盤整備の遅れ、保険料値上げと大きな問題をかかえています。日本共産党は、利用料負担の減免に粘り強く取り組むなど、安心できる介護保険をめざして力を尽くしています。
介護保険導入後の四年間は、保険料の半額徴収から満額徴収へ、二千億円の保険料値上げと国民に痛みを強いるものでした。小泉内閣は、保険料徴収を現行の「四十歳以上」から「二十歳以上」に広げることや、一割の利用料を二割から三割に引き上げることまで検討しています。
「なけなしの年金から介護保険料の全額徴収の通知を受けて途方に暮れるお年寄りも、まだ痛みが足りないというのですか」(市田忠義書記局長、二〇〇一年五月の参院本会議)。日本共産党は、自公政権の負担増路線と対決。介護保険実施前に四回、実施後も三回にわたって緊急提案を発表し、実施直前には介護保険法改正案を参院に提出(二〇〇〇年二月)するなど、利用料・保険料の軽減を求めてきました。
国会論戦でも、小池晃議員は、介護保険導入で介護サービスを15・3%もの人が経済的理由で低下させたことを示す調査をあげて追及(同年四月、参院予算委員会)。参院厚生労働委員会(〇二年四月)では、低所得者対策を強く求め、坂口力厚労相も「市町村、都道府県とタイアップして低所得の人のことを考えたい」と施策の必要性を認めました。
〇三年、介護保険実施三年目の見直しにあたっては、国庫負担引き上げによって保険料値上げを中止し、だれもが安心できる制度を求める緊急要求を発表。「低所得者対策を確立することは、介護保険存続の不可欠の条件」と、低所得者対策という角度から利用料問題に鋭くきりこみました。
日本共産党は住民運動とも連携し、利用料・保険料の減免に取り組んでいます。こうしたなかで、独自に利用料を減免する自治体は九百八、保険料を減免している自治体は六百九十五区市町村に広がりました(〇三年四月現在)。
特別養護老人ホームの入所を待つ人が急増していることも大きな問題です。党国会議員団は、全国の入所待機者数を四回にわたって調査し、政府に基盤整備と国庫負担の増額を要求しました。
ところが、小泉内閣は国庫補助負担金の廃止・削減をすすめる「三位一体改革」のなかで、特養ホーム建設への国の補助を三割も削減する方針です。これには、埼玉、千葉、神奈川の三県知事が連名で撤回を申し入れるなど、各地で批判が噴出しています。
日本共産党は、この補助金カットを強く批判。「政府の都合で自治体の整備計画に見合う予算が確保できなくなっている」と、予算の確保を求めました(山口富男議員、〇四年二月二十五日、衆院予算委員会)。小池議員は、同年二月十二日、厚労省と交渉し、削減の中止を求めました。
こうした大問題とともに、介護保険制度のさまざまな改善にも取り組んでいます。小池議員は、介護保険の導入で利用日数が半分以下に切り縮められるショートステイ(短期入所)問題をとりあげ、利用枠の拡大を要求。「要介護1」で半年に二週間だった短期入所が十二週間になるなど、一部改善されました。
介護職員の労働条件改善も、低賃金、無権利な非正規職員が急増しているなかで、切実な課題です。日本共産党は、介護職員が誇りをもって最善のサービスを提供できるようにするためにも、介護報酬の適切な引き上げや、ケアマネジャーのケアプラン作成費用の引き上げを求めています。