2004年5月14日(金)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=遠藤誠二】米国防総省は十二日、イラク国内での米兵による虐待行為を収めた未公開の写真とビデオ映像を連邦議員に開示しました。議員らの証言によると、女性にたいする性的行為や同性愛行為を強制するもの、意識不明となるまで暴力をふるう残虐な拷問が含まれていました。また、虐待のあったアブグレイブ収容所以外で撮られたものも多数あり、少数による米兵の行為とはいいがたい内容といいます。
上下両院の連邦議員に開示されたのは、これまで米マスコミなどが報道した以外の千八百件の写真と映像。イラク人女性に胸を露出させ性的な行為を強要したり、囚人に軍用犬をけしかけるもの、頭に袋をかぶせた収容者に自慰行為を強制し撮影したもの、意識がなくなるまで壁に自分の体を打ちつけさせる、などの拷問行為が証拠として示されました。収容所以外での米部隊の蛮行を写したものも多数あるといいます。
ダシュル民主党上院院内総務は、「性的な暴行と拷問だ」と指摘。同じく民主党のネルソン上院議員は、虐待があったアブグレイブ収容所廊下の写真では多数の兵士がおり「とても六、七人の下級兵士がやったこととはいえない」と一部憲兵による仕業ではないと主張しました。
これらの写真・映像について、国防総省、議会とも一般公開しない考えです。