日本共産党

2004年5月15日(土)「しんぶん赤旗」

民主が有事「修正」案

国民動員の対象を拡大


 民主党は十四日、衆院有事法制特別委員会理事会に、有事関連法案の「修正」案を提出しました。「修正」案は、有事関連法案のうち「国民保護」法案で「国民保護」措置の対象としてだけ規定されていた「緊急対処事態」について、有事法制が対処すべき事態として新たに位置付け直すものです。

 具体的には、昨年六月に成立した武力攻撃事態法の中に、これまでの「武力攻撃事態」や「武力攻撃予測事態」に加え、新たに「緊急対処事態」への対処に関する規定を追加。国や地方自治体、「指定公共機関」に指定される民間企業・団体に「緊急対処事態」への対処を「責務」として義務付けることや、その際、国民の自由と権利に「制限が加えられる」ことなどを定めています。

 日本への外部からの武力攻撃とは異なる「緊急対処事態」を新たに加えることで、有事法制の枠組みそのものを大きく変えるもので、自治体や国民を強制動員する対象をいっそう拡大する危険な内容になっています。

 同日の委員会で提案理由説明を行った平岡秀夫議員は、「修正」案について「よりよい有事法制としていくため」などと述べました。このほか「修正」案は、政府が決定する「緊急対処事態」への「対処方針」について国会の事後承認などを定めています。

 与党は、民主党案の提出を受け、同党と協議を行い、共同「修正」案を提出する方針。両者がとりまとめている「緊急事態基本法」の「骨子」について幹事長レベルで最終合意した上で、来週半ばの衆院通過を狙っています。

 「緊急対処事態」 「武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態又は当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」のこと。政府は具体例として、ターミナル駅や新幹線の爆破、航空機による自爆テロなどを挙げています。




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