2004年5月16日(日)「しんぶん赤旗」
年金改悪法案をめぐって、保険料未納問題で公表をしぶり、法案の中身でもうその説明をしていた小泉自民・公明内閣。国民に目隠しをしたまま悪法を強行しようとしていることに、「国民に痛みを求める政府案をだれも信用しない」(「毎日」十五日付社説)と批判が強まるいっぽうです。
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十五日放映の日本テレビ系(読売テレビ)「ウェークアップ!」でも「『百年安心』どころか『百年不安』だ」(司会の桂文珍氏)との声も上がりました。同番組で「うそをついていたことが発覚」と紹介したのが年金改悪の中身。十二日の参院本会議で、日本共産党の小池晃政策委員長が追及した問題です。
これまで政府は(1)国民年金保険料は二〇一七年度以降月一万六千九百円で「固定」(2)厚生年金の給付水準は現役世代の収入の50%を確保―と宣伝してきました。
ところが小池氏が、保険料は「賃金の名目上昇率に連動する」と指摘すると、坂口力厚労相は、一七年度に二万八百六十円、二七年度には二万五千六百八十円になると答弁。「固定」どころか上がることを認めたのです。
「給付は50%を確保」というのも、「モデル世帯」(夫が四十年サラリーマンで妻は専業主婦)が「六十五歳で年金をもらい始める時点」のことで、年齢が進むにつれて四割台に下がることが分かったのです。
番組で金子勝・慶応大教授は「五割で安心というのはまったくのうそ。なぜ『百年安心』なのか分からない」と発言しています。
国民に重大な事実を隠そうとする点では未納問題でも同じです。
福田康夫官房長官などが未納状況を公表したのは四月二十八日に法案が衆院厚労委員会で強行採決された直後。強行採決を推進した衛藤晟一厚労委員長や、谷畑孝、森英介両厚労副大臣は衆院通過前には未納をひた隠しにしていました。
自民党は所属国会議員の公表を拒否し続けています。公明党が納付状況を公表し、神崎武法代表など十四人の未納を明らかにしたのは、法案の衆院通過後。
番組が実施したメール投票では、「年金改革法案」に「反対」が84%を占めました(円グラフ)。番組で岩井奉信・日大教授は「明らかに欠陥法案。無理していま通すこと自体がおかしい」と語っています。