2004年5月16日(日)「しんぶん赤旗」
イラクで武装勢力に拘束されたフリージャーナリストの安田純平さん(30)が十五日、東京・豊島区のラパスホールで拘束された三日間の状況を報告しました。日本平和委員会などが主催したもので二百人以上が参加しました。
激しい戦闘が続いていたファルージャ周辺を取材に行った安田さんが拘束されたのは四月十五日。拘束したのは「アブグレイブ近郊の農民でつくる自警団」と指摘します。目隠しされた後に連れられたのは民家の一室でした。女性や子どもの姿もありました。「怪しい者が入り込まないよう、通過する部外者を見つけたら捕捉するということだったのでは」と安田さん。おおむね丁重な扱いだったといいます。
二日目の夕方、武装勢力とみられるグループに引き渡されました。そこで「アメリカのスパイか」と厳しく追及されます。「私は反戦運動家ではありませんが、『イラク人の被害を伝えるためにきた』『この戦争はおかしい』といいました」。日本にも米軍基地があることや日本人だからみな敵と考えるのは間違っている、などと必死で釈明したといいます。
その翌日、解放されました。「メンバーは自衛隊を送ったことで非常に怒っていました。でも、一方で『日本っていい国か?』と聞いてくる人もいました。私が救われたのは、親日感情を培ってきた今までの日本の歴史だったかもしれません」と語りました。