日本共産党

2004年5月16日(日)「しんぶん赤旗」

学資保険裁判

高校進学への親心認めた

勝利判決うけ 娘の明子さん報告


 「子どもを高校にいかせたい。切ない親心を最高裁が認めた」。福岡地裁に提訴以来、十四年間争われた「学資保険裁判」の最高裁判決(三月十六日)を受け、原告の入口(旧姓中嶋)明子さんと支援者らが十五日、東京・新宿区で勝利集会を開き、政府の社会保障切り捨て行政を許さない決意を固めあいました。主催は学資保険裁判を支援する会。

 両親の遺志を受け継いだ長女の入口明子さん(31)は、娘の晴香ちゃん(4っ)と一緒に参加。「子どもだけは高校にいかせたいという両親の願いから始まった裁判、頑張って勝ちたかった。裁判への反対もあったが、やらなければ制度が変わらないと思った」とかみ締めるように語りました。

 東京弁護団の新井章弁護士は最高裁判決の意義を(1)生活保護に給付されるお金は、自主的に使ってもかまわないことを承認したこと(2)生活保護世帯で子どもの高校進学費用を工面することは当然との判断を示したこと―と指摘。

 新井氏は、行政の攻撃の背景に一九八〇年代に始まる第二臨調期に出されていた生活保護の「適正化」を求める一二三号通知があるとして、「撤回させるまで頑張りたい」と訴えました。

 全国生活と健康を守る会連合会(全生連)の島田務会長は「人間の尊厳に根差す自己決定権が極度に侵害されているなかで、生活保護費の使い道の自由など自己決定権を認めた意義は大きい」と発言しました。

 学資保険裁判 福岡市の中嶋豊治・紀子夫妻が子どもの高校進学に備え、郵便局の学資保険に加入し生活保護費から払い続けた掛け金を、福祉事務所が収入と認定、半年間にわたって生活保護費を減額したのは違法であるとして争われました。




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