2004年5月18日(火)「しんぶん赤旗」
内閣府が行う「教育改革タウンミーティング」が十五日、愛媛県松山市で開かれ、河村建夫文科相が「教育勅語には大事な倫理力があり、その精神が全部悪いかと言えばそうではない」と発言。すべてを天皇のために命を投げ出すことにつなげるため、戦前の軍国主義教育を子どもたちに強制した「教育勅語」を美化しました。
タウンミーティングには市民ら四百三十人が参加。会場から大学生が「郷土や国を愛する心を法律で規定する必要があるのか」と質問したのに対し答えたもの。同相は、教育基本法「改正」について「法案を取りまとめたい」と意欲を示しましたが、会場からの意見は「改正」反対が多数でした。
会場から八人が発言。そのうち六人が教育基本法「改正」に反対の意見を表明。「教育の機会均等が失われないかと心配だ。教育が財政問題で切り捨てられようとしている。教基法が守られていないのに、変える必要があるのか」(中学校教師)など教基法「改正」に反対の意見が相次ぎました。
教育勅語 明治天皇の名で一八九〇年十月に出された勅語で、絶対主義的天皇制のもとでの教育の基本原理をしめしたもの。徳目をかかげ、天皇への無限の奉仕、とくに「一旦緩急あるときは義勇公に奉ずる」(いざというときには天皇に命をささげなさい)ことを最大の道徳とし、戦時の忠誠を強制しました。戦後、一九四八年六月十九日、日本国憲法の精神に反するとして国会で失効確認が決議され、廃止されました。 |