2004年5月18日(火)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】十七日イラクの首都バグダッドの米占領軍当局本部前で起きた自動車爆弾爆発は、米占領軍とイラク国民との間の対立をさらに拡大しています。
米軍などイラク占領軍による、イスラム教シーア派指導者サドル師支持派民兵への攻撃、戦闘は十七日までに首都バグダッドや中部ナジャフ、カルバラに加え、南部のナシリヤ、バスラなどにも拡大し、情勢は悪化の一途をたどっています。
イラク南部ナシリヤでは十六日夜から十七日未明にかけて、イタリア軍部隊とサドル師支持派民兵とが六時間におよび交戦。病院関係者によればイラク人九人が死亡、十四人が負傷、イタリア軍側も兵士一人が死亡、十六人が負傷しました。戦闘でイタリア兵が死亡したのは初めて。南部バスラでは十六日、英軍駐屯地近くの住宅に迫撃砲が着弾、民間人四人が死亡しました。
米軍は十六日、シーア派聖地カルバラ心臓部に連日侵攻し、民兵勢力と激しく交戦しました。戦闘は同市で最も神聖なフセイン廟(びょう)付近で発生し、イラク人五人が死亡、三十二人が負傷。その後も戦闘が続いています。死傷者はさらに増える見込みです。
イラク占領当局は十七日、バグダッド南方の都市で十六日に戦闘が発生し、米兵一人が死亡、二人が負傷したことを明らかにしました。
一方、イラクから撤退中のスペイン軍は十六日、中南部のディワニヤの駐屯地を米軍に引き継ぎました。