2004年5月20日(木)「しんぶん赤旗」
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有事法制やイラク攻撃などに反対し、世界平和を実現するために声をあげてきた「世界の平和を求める京都宗教者連絡会」は十九日、京都市下京区の西本願寺内で記者会見し、小泉首相と米英両国およびイラクに派兵中の三十四カ国への「要請書」を発表しました。
呼びかけ人は、有馬頼底(臨済宗相国寺派管長)、佐原英一(日本キリスト教団京都教区総会議長)、佐伯快勝(真言律宗宗務総長)、森清範(北法相宗清水寺貫主)各氏ら二十人。今月中に各国大使館へ送付し、またアナン国連事務総長には連帯の手紙を送ります。
「要請書」は、「暴力を憎み平和を愛する私たち宗教者は、神仏の意志に反するこれらの罪深い行為に対して、悲しみと憤りを禁じ得ません」とイラクでの無差別殺傷や生活破壊を批判。
米英両国には占領政策と武力攻撃の中止や新政権樹立への不干渉を、派兵各国には軍隊撤退と国連中心の復興支援への協力などを求めています。
また、小泉首相に対しては、派兵各国が撤退しつつあるなかで、このまま憲法違反の自衛隊派兵に固執すれば「日本は米・英国を除く世界から孤立する」と指摘。憲法九条を厳守し、自衛隊撤退とともに、「米国追随の姿勢を悔い改め」て国連中心の復興支援に協力するよう求めています。
記者会見には、呼びかけ人の宮城泰年(本山修験宗宗務総長)、大島亮準(天台宗大原念仏寺住職)、佐伯幸雄(京都キリスト教協議会会長)の各氏が出席。スペイン軍撤退など世界情勢の変化や米軍のイラク人拷問・虐待が明らかになるなかで、「何よりも命を大切にする宗教者として看過できない」との立場から、「要請書」提出に至ったことを説明しました。