2004年5月21日(金)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イラク駐留米軍は十九日、イラク西部のシリア国境付近で結婚式が開かれていたイラク人の民家を戦闘機で爆撃し、イラク人四十人以上を殺害しました。
現地からの報道によると、米軍が爆撃したのは、カイム地域の村の民家。アラブ首長国連邦の衛星テレビ・アルアラビアは、地面に並べられた多数の遺体の映像を放映するとともに、「米軍は百発以上の爆弾を投下した」との住民証言を伝えました。同テレビは、死者の中には女性や子どもも含まれていると伝え、地元イラク警察当局者は、死者は四十二人から四十五人にのぼるとしています。
イラクを管轄する米中央軍は、空爆を「地上からの攻撃に対する反撃」として正当化しましたが、米軍による結婚式会場への爆撃は、二〇〇二年七月にアフガニスタンでも発生し、四十八人の死者を出しています。イスラム社会の結婚式では、空に向け祝砲をあげる慣習があり、米軍がこれを自らへの攻撃とみなし空爆を行った可能性が高くなっています。