2004年5月25日(火)「しんぶん赤旗」
薬害エイズ裁判和解八周年記念集会が二十四日、東京都内で開かれ、被害者や遺族、厚生労働省、医療関係者ら約百人が参加し、薬害再発防止への決意を新たにしました。主催は東京と大阪のHIV訴訟原告団。日本共産党の小池晃参院議員が出席し、哀悼の意をこめて献花しました。
薬害エイズ訴訟は一九八九年に提訴、九六年に和解が成立しました。
約千五百人もの血友病患者が治療のために使った輸入非加熱血液製剤によってHIV(エイズウイルス)に感染し、そのうち五百五十人以上もの命が奪われています。この一年の間にも約二十人が亡くなりました。
被害者はHIVとともにHCV(C型肝炎ウイルス)にも重複感染し、肝不全などで二十代、三十代の若さで亡くなるなど、いまも深刻な事態が続いています。
いまだに差別と偏見があり、社会生活が困難で「特に就労の機会がない」と原告団は訴えます。被害者本人はもとより、家族、遺族のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の回復も重要な課題といいます。
厚労省は今年度からPTSDなど健康被害の調査検討を始めます。
原告団は集会で「HIV被害者への恒久対策が薬害根絶につながるものと信じて、一歩一歩活動を進めていきたい」と訴えました。