2004年5月26日(水)「しんぶん赤旗」
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五月の強い日差しが照り返す国会前の歩道。むせ返る暑さのなか座り込んだ高齢者の人垣は、国会裏の交差点を曲がって自民党本部へと迫ります。全長約四百メートル。「おおッ、すごい」。通りがかりの人から思わず声がもれました。二十五日、全日本年金者組合が年金大改悪法案の廃案を求めておこなった国会前行動。北海道から沖縄まで四十七都道府県から二千人以上が参加、怒りの声を上げました。
「年金改悪法案のお葬式を出しましょう」。川崎市の若井茂さん(81)は“葬ろう年金改悪法案”の手づくりプラカードを首からさげ「仏壇から借りてきた」鈴(りん)を打ち鳴らしてアピールします。
夜行列車で十三時間かけやってきた青森県本部の面々。ワラビ採りで上京費用を作り「まだ足りないと訴えたら『自分は行けないけど頑張ってけろ』と、たちまちカンパが十万円。怒りの強さを感じましたね」。前日も青森市役所前で署名を訴えた足でやってきたという門倉昇さん(70)が弾んだ声で語ります。
「直訴 国民をバカにするな ウソつくな!」。自作ののぼり旗を手にかけつけた奈良県王寺町の新里哲雄さん(67)。「公明党のあの『安心』ハートマークはいったい何やったんやと、あんまり腹立つから作ってみたんですわ。みんな怒ってます。ここ一、二週間が勝負どき。ビラまいて宣伝して、悪法を止めたいです」
「花咲じいさん」にちなんだそろいの赤いちゃんちゃんこにずきんが人目をひいた東京・江東支部。佐々木治代さん(64)の年金は五十五歳のとき会社が試算した額と比べ、月二万円少なくなっていました。「二〇〇〇年改悪の影響なんです。今回の改悪が通ればさらに三割カット。とんでもないわ。ヨーロッパみたいに百万人のストが打てるくらい運動を広げたい」と。
津守信弘さん(67)は宮崎県から仲間四人と飛行機でやってきました。二十四日、市内で取り組んだ署名は初めて一回で百人を突破しました。「自分たちの保険料を勝手にムダなものに使われ、閣僚が保険料すら納めていなかった。自民・公明の政治への怒りが広がっています。参院で廃案に追い込んで参院選挙できっちり審判を下すたたかいをします」と意気込みました。