日本共産党

2004年5月27日(木)「しんぶん赤旗」

日本の選挙 “べからず”が多いのはなぜ?


 〈問い〉 戸別訪問をしてはいけないとか、マイクを使ってはダメとか、日本の選挙法には禁止事項(“べからず”)が多いと思います。諸外国に比べてどうですか。なぜこんな規制が強まったのですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 言論による選挙運動は本来、自由でなければなりません。他の政党や候補者の名誉を傷つけたり、ウソをいったりすることだけ規制すればよいのです。また、買収や供応についての処罰規定があれば十分です。

 事実、外国では、一、二の国を除き、言論による選挙運動の規制はほとんどありません。

 日本で戸別訪問の禁止が始まったのは、有権者の範囲が大幅に広がった1925年の普通選挙制度(ただし男子のみ)からです。この禁止規定は、このとき新たに加わった一般の有権者は「戸別訪問などを受けると、情実に左右されやすく、買収の温床にもなる」などという有権者を愚民視した考え方によるものです。

 また、選挙運動は候補者とごく少数の運動員だけがやるもので、一般の有権者が選挙運動をやるべきではないという誤った考え方も背景にあります。

 戦後一時はビラの規制やマイク宣伝の規制はなく、かなり自由な選挙運動が可能でした。

 しかし、自民党など保守政権は、広い範囲の有権者の運動は革新、民主勢力の有利になるという党利党略の立場から、次々と規制を強化しつづけました。

 ビラ宣伝が広がるとそれをおさえるため「法定ビラ」制度をつくり、種類を制限する、機関紙宣伝カーが増えるとそれを禁止する、マイクによるパンフレット宣伝がすすめられるとそれも禁止する等々です。

 いまでは、衆議院選挙では法定ビラさえ街頭配布も各戸配布もできない決まりになっています。

 しかし、戸別訪問も解禁すべきだとの声は一部の保守勢力をふくめてあり、また言論活動を規制する矛盾への批判も高まっており、国際人権規約なども活用しながら、打ち破っていく必要があります。(

 〔2004・5・27(木)〕


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