2004年5月28日(金)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イラクのイスラム教シーア派指導者サドル師の殺害あるいは拘束を狙う米軍が二十五日夜から二十六日にかけ、同師の拠点である中南部ナジャフ中心部にたいし戦車や武装ヘリを動員しておこなった猛攻作戦に関し、米軍のキミット報道官は二十六日、サドル師支持民兵多数を殺害したと発表しました。死亡したイラク人は五十人に達するといいます。米軍によるサドル師支持民兵への攻撃により四月以降、数百人が死亡しています。
また同日には首都バグダッド北東部のサドルシティーでも米軍がサドル師支持民兵に激しい攻撃をしかけ、イラク人約二十人が死亡しました。
一方、サドル師は二十六日、ナジャフの聖職者にあてた書簡で民兵を同地から撤退させることに同意したもようで、二十七日には、民兵が一部撤退を開始したとの情報もあります。
ただ、サドル師側は撤退の条件として米軍もナジャフから撤退すること、イラク警察が同市を統括することをあげており、同意が全面的な撤退、停戦に結びつくかどうかは米軍の出方次第。
【カイロ=小泉大介】イラク駐留米軍は二十七日、首都バグダッド西方のアンバル州で二十六日、米海兵隊の兵士三人が戦闘により死亡したと発表しました。これにより、昨年三月二十日のイラク戦争開戦以降の米兵死者の総数(事故なども含む)は八百人を超え、八百一人に達しました。