2004年5月28日(金)「しんぶん赤旗」
参院選(六月二十四日公示、七月十一日投票)も間近です。身近な疑問や話題から、くらしや経済のあり方を考える絶好の機会です。おやおや、熊さんと八っつぁんのにぎやかな声がきこえてきました。(随時掲載)
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熊 てぇへんだ、てぇへんだ。
八 そんなにあわてて、どうしたい。
熊 いやな。日本の大企業が、日本から、みんな、海外に出ていっちゃうというんだ。
八 なんだい。それは。
熊 日本共産党が、将来の社会保障の財源づくりのためには、大企業はもっと負担すべきだといってるだろ。そんなこといったら、大企業は海外に出ていってしまうというじゃねぇか。
八 なんだ、そのことかい。それはな、大企業も「応分の負担」をしなさいといっているんだ。
熊 なんでい、その「応分の負担」って。
八 税金とか保険料とか、負担できる能力に応じて負担するということ。いいかい、大もうけをしている大企業は、その分、たくさん負担できる力があるだろ。いつも金がねぇと騒いでいるおまえと違って。
熊 そういうことか。でもよ。それだけ、大企業がいやがるってぇことは、いまでも日本の負担がよほど重いんじゃねぇのかい。
八 ところが、そうじゃねぇんだな、これが。税と社会保障の企業負担をみると、日本はフランスのおよそ半分なんだ。ドイツの七割、イギリスの七割五分だ。
熊 なんでい、よっぽど日本の方が、負担が軽いじゃねぇか。
八 そういうこと。だから、考えてもみねぇ。大手の自動車メーカーや電機メーカーが、フランスで企業活動をする。負担が日本の二倍でも、同じ条件のもとで、他の企業と競争しているじゃねぇか。
熊 そういやあ、トヨタ自動車がヨーロッパから逃げ出したっていう話はきいたことねぇな。
八 だからよ、せめてヨーロッパ並みに、日本でも負担をといっているのが、日本共産党の主張だというわけだ。
熊 へぇ、ずいぶんと控えめな要求じゃねぇか。それができれば、将来の社会保障の財源もできるって、ほんとうかい。
八 あたぼうよ。当面は公共事業や軍事費などの無駄を省いて財源をつくる。将来は税と社会保障の企業負担をフランス並みにしたら、年間四十三兆円近く、ドイツ並みだと年間二十兆円の財源ができる計算だ。消費税なんかに頼らなくても、いいわけだ。
熊 年金もかい。
八 日本共産党の提案はこうだ。全額国が負担する最低保障年金制度をつくる。当面月五万円の支給からはじめて、その五万円の上に、払った保険料に見合った額を上乗せして受け取るようにしようってわけだ。その財源は七兆七千億円(国庫負担を二分の一にするための財源二兆七千億円を含む)あればできる。無駄づかいをやめて、高額所得者や大企業にも「応分の負担」を求めれば、おつりがくる。
熊 じゃあ、消費税の大増税しかないっていっている財界や大企業っていうのは、どういう了見なんでい。
八 法人税や保険料の大企業の負担をもっと減らせ、そのための財源は消費税の増税に求めればいいじゃないか、という理屈だ。
熊 あきれたね。それをいっちゃあ、おしめぇよ。だってよ。消費税は所得が低いほど負担が重くなる天下の悪税だぜ。庶民をいじめて大企業の負担軽くしろなんて、ふてぇ野郎たちだ。
八 まったくだ。財界の尻馬に乗って、消費税増税を競いあう小泉与党の自民、公明や民主党にも困ったものだ。ここは政党選択のしどころだぜ。