2004年5月29日(土)「しんぶん赤旗」
六月末に予定されているイラクの統治権限移譲を前に、同国を占領している連合軍(CJTF7)が名称変更されて「イラク多国籍軍」(MNFI/MNCI)となり、同軍のホームページで日本がその一員に位置づけられていることが分かりました。
日本共産党の小泉親司議員が二十七日の参院イラク有事特別委員会で指摘。「これまで日本政府は武力行使を伴う多国籍軍への参加は憲法上許されないとしてきた。なぜ日本が参加しているのか」と追及しました。
連合軍を多国籍軍に“衣替え”したのは、暫定憲法である「イラク基本法」で統治権限移譲後も多国籍軍の駐留を認めていることを受けたものです。米国は十三万人以上の米軍を居座らせるため、同軍が指揮権を握る多国籍軍の創設を盛り込んだ新たな国連安保理決議の採択を狙っています。
小泉議員は、連合軍の機関紙五月二十一日号が、新たに発足したイラク多国籍軍について「新しい名前で変わらない目的」と報じ、「多国籍軍の任務は、占領軍やイラク軍に敵対する者と戦争をたたかうことだ」と武力行使を明確にしていることを紹介。その多国籍軍のホームページで参加国の一覧に日本が挙げられ、イラク南東部を管轄する「多国籍師団」の一員として「英軍の指揮下にある」と明記していることを示し、「憲法上重大な問題だ」と小泉純一郎首相をただしました。
首相は「武力行使を目的とする多国籍軍に、日本は、自衛隊であれ、どのような組織であれ参加することはしない」と答えました。
一方で川口順子外相は「わかりやすく説明するために(ホームページでは)そのようになっている」などと答弁。小泉議員は「日本政府として多国籍軍に加わり、英国軍の指揮を受けていることを容認するものだ」と批判しました。