日本共産党

2004年5月29日(土)「しんぶん赤旗」

米軍

ナジャフ攻撃は停止

近郊クーファでは民兵と交戦


 【カイロ=小泉大介】イラク中南部ナジャフでイスラム教シーア派指導者ムクタダ・サドル師の拘束・殺害をめざす軍事作戦を展開してきた米軍は二十七日、同師とシーア派指導者との間のナジャフ「治安」合意成立を受け、攻撃を停止しました。しかし、ナジャフ攻撃停止の一方、同市近郊のクーファでは二十八日も、米軍がナジャフと通じる道路を戦車で遮断し、サドル師派民兵部隊と交戦しました。


 サドル師は毎週金曜の恒例のクーファでの集団礼拝に二十八日は姿を見せませんでした。礼拝に集まった数千人の支持者からは「米軍はサドル師を拘束しようとしており停戦を尊重していない」との声があがりました。

 サドル師は二十七日、ルバイエ・イラク統治評議会委員を通じ、米軍がナジャフから撤退し代わりにイラク人部隊が治安任務にあたることを条件に、民兵のうち、ナジャフ出身者以外の撤退受け入れを表明。米主導の「連合軍」のセナー報道官は占領軍当局が交渉にあたっているわけではないとしながらも、サドル師と統治評議会とシーア派指導者との合意を「積極的な第一歩」と歓迎。民兵撤退まで攻撃を停止すると述べました。

 合意によると、ナジャフ出身者以外の民兵は市から撤退し、占領軍は同軍の現地本部になっているナジャフ市庁舎・議会の建物に引き揚げることになっています。米軍の軍事作戦開始の理由だったサドル師に対する犯罪容疑と民兵の解体については今後の協議事項となりました。

 この間の米軍による攻撃で、多数の民間人を含む三百五十人以上のイラク人が殺害され、「連合軍」側でも二十一人が死亡しました。さらに、シーア派初代イマーム(指導者)のアリ廟(びょう)の一部が破壊され、シーア派の多くの人たちから怒りの声が上がっていました。


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