2004年5月30日(日)「しんぶん赤旗」
国会審議を通じ、政府の説明のごまかしが次々と明らかになっている年金改悪法案。各種の世論調査では六、七割の国民が「今国会は見送るべき」と答え、マスメディアからも「白紙撤回し一から出直すべきだ」との声があがっています。
「国民を『定年ホームレス』にする年金改悪法10の欠陥を暴く」――こんな見出しで特集を組んだのが『週刊ポスト』(六月四日号)です。
同誌は、上限を固定するといっていた保険料が実は「『青天井』アップ」、現役世代の50%は保障するといっていた受給額が実は「底なしカット」など、これまでの政府、自民・公明両党の説明は国民を欺くものだと批判。「正直に、何年後にいくらの年金をもらえるか、保険料がどこまで上がるかを示してほしい。…ウソで塗り固めた改革だけはもういらない」と手厳しい。
『AERA』五月三十一日号でも、「年金法案のまやかし」を特集。国会での坂口力厚労相などの答弁を引きながら、保険料や受給額についての説明が、法案提出段階から衆議院通過後は変わったことを問題にしています。「法案が参院に回ったら、給付水準の説明が『5割確保』から『いずれは5割割れも』と変わった。未納発表に続いて、また後出しジャンケンか」と皮肉っています。
新聞各紙も政府のごまかしをとりあげました。
「読売」(二十六日付)は一面で、「(厚労省は)これまで、法案の特徴について『保険料固定方式』などと説明していたが、保険料が月額一万六千九百円で固定されない可能性がある」と伝えました。「熊本日日」(二十七日付)社説は、「今国会で強引に成立をめざしても、国民の理解を得られるはずはなく、結果的に強い反発を招くだけだ。…法案を白紙に戻して、一から出直すしかあるまい」と主張しています。