日本共産党

2004年5月30日(日)「しんぶん赤旗」

ここが知りたい 参院選特集

税金の使い方、集め方

どうする税金

日本共産党 財界応援でなく国民のくらし第一に


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使い方

予算の主役をくらしと社会保障に

 日本共産党はこう考えます

 ●公共事業のムダを徹底的に削減し、年間5兆円の軍事費を、半分に減らします。

 ●社会保障の予算を抜本的に充実させ、将来に安心がもてる年金・医療・介護の制度をきずきます。

 ●公共事業は、「生活・福祉・防災・環境」中心にきりかえ、地元の仕事と雇用を増やします。

 (パンフレット『こんにちは日本共産党です』から)

 社会保障改悪と庶民増税に「財政難」の打開策を求めようとする小泉内閣。国民に負担を押し付ける一方で、大企業の負担は軽減しつづけています。日本共産党は、「税金の使い方、集め方を変えます」(パンフレット『こんにちは日本共産党です』)として、財界に顔をむけたいまのやり方はきっぱりとあらため、国民のくらしを第一にするように提案しています。

 国民が納めた税金を、くらしや社会保障のために使うか、大型公共事業や軍事費のために使うか、政治のあり方が問われています。

 日本共産党は、大型公共事業や軍事費など、予算のムダをあらため、国民のくらしと社会保障を予算の主役にすえることを提案しています。

 ヨーロッパ諸国では、国民が納めた税金のうち、国民所得と比較して約四割が社会保障に使われています。一方、二〇〇〇年度(ヨーロッパ諸国は二〇〇〇暦年)のデータでは、日本の国民が納めた税金が社会保障に使われている割合(国民所得比)は28・5%。イギリスやドイツの約七割にすぎません。

 三月二十三日に成立した〇四年度予算をみてみましょう。同予算では、高齢者の増加とともに当然増加する社会保障関係費の「自然増分」約九千百億円を、年金給付額の削減などで、八千六十三億円まで圧縮しました。一方、3・5%削減したと誇る公共事業関係費の削減の中身は「コスト縮減」が中心。むしろ、大都市圏の空港や港湾など大型事業に重点化を図っています。

 軍事費はSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)関連予算を含めて四兆九千三十億円。前年度と比べ1%削減したというものの、その規模は約五兆円にのぼります。

 国民が納めた税金が、大型公共事業や巨額の軍事費に費やされるため、本来必要なはずの社会保障費が圧迫されているのが、日本の予算の使い方です。

 ムダを温存し、必要な予算を削る小泉内閣。その負担増、給付減は医療、年金、介護、雇用などの幅広い分野に及び、総額は、〇六年度までに限っても年間七兆円(平年度ベース)を超えます。

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集め方

消費税増税でなく大企業に応分の負担を

 日本共産党はこう考えます

 ●消費税増税を許しません。「18%に」(日本経団連)、「07年に消費税をふくむ抜本改革」(自民・公明)、「年金財源をふくめ8%に」(民主)など、増税の動きに反対します。

 ●大企業と高額所得者には、ヨーロッパなみに応分の負担をもとめ、くらしのための財源を確保します。

 (パンフレット『こんにちは日本共産党です』から)

 税金の集め方でも、だれに負担を求めるかが問われています。

 日本共産党は、消費税増税に頼ることなく、大企業と高額所得者にヨーロッパ並みの応分の負担を求めることで、くらしや社会保障のための財源を確保することを提案しています。

 一九八九年に消費税が導入されて以降、消費税収はしだいに上昇し、〇四年度予算では、約十二兆円(国、地方合わせて)に達しました。一方、法人税収は減税や不況などの影響で減少し、同予算では約十五兆円です。

 導入以降、国民が支払った消費税の総額は、約百四十七兆円(〇四年度予算を含む)に達しました。これにたいし法人税収は、ピークだった一九八九年にたいする減収額の累計は百四十五兆円(同)になります。法人税収の減収分を消費税収が穴埋めする形になっています。

 政府は今月、経済財政諮問会議で、来年度予算編成などの指針となる「骨太の方針」第四弾の議論を開始しました。この会議で、奥田碩トヨタ自動車会長(日本経団連会長)ら四人の民間議員は、さらに法人税を減税することを求めています。

 これまで政府は、財界の要請に応える形で、企業の税と社会保障の負担を軽減してきました。その結果、日本の企業の税と社会保障の負担は、ヨーロッパ諸国の五割から七割にすぎません。

 空前の利益を上げる大企業の負担は軽く、負担増に苦しむ庶民には、年金課税の強化などで、さらに増税を押しつける。これが小泉内閣の税の集め方です。


財界・大企業にはっきり物がいえる党でこそ

自民、民主 献金や消費税増税でも競いあい

 年金をはじめ社会保障の財源として消費税増税を競い合う自民、公明、民主の各党。財界の要請にこたえ、国民に痛みを押し付けるか、財界にきっぱりものいい、大企業に応分の負担を求めるか、今ほど、政党の姿勢が問われているときはありません。

 日本経団連が昨年九月に発表した政党「通信簿」をつけるための「優先政策事項」。「租税負担と社会保障負担を合わせた企業の公的負担を抑制する」「消費税率の引き上げを検討する」との項目が盛り込まれました。企業負担を軽減し、そのための財源として消費税増税をしようとする政党には企業献金を行うという財界の意思表示です。

 自民・公明両党は「〇七年度を目途に、消費税を含む抜本的税制改革を実現する」(〇四年度「税制改正」大綱)と打ち出し、民主党も年金制度「改革」案の中で〇七年度から現行の消費税(5%)に3%を上乗せする「年金目的消費税」を盛り込んでいます。

 これらの三党が六日に交わした年金改悪法案に関する「三党合意」では、「社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付のあり方を含め、一体的な見直し」と明記しました。消費税増税に道を開くものです。

 「献金しようというんだったら喜んで受け取る」(小泉首相、〇三年十月)、「政治改革や政権交代への姿勢も(献金配分の)基準に入れてほしい」(民主党の岡田克也幹事長、当時、〇三年七月)――。企業献金欲しさに財界に迎合するなら、文字通りカネの力で政治をゆがめることになります。

 財界・大企業から、一円も献金を受けない日本共産党だからこそ、財界の提案にたいしてもきっぱりとものを言うことができます。

 消費税増税に頼らず、大企業に応分の負担を求めることで、安心できる社会保障制度を実現する―。財界にきっぱりとものがいえる日本共産党が伸びてこそ、政治を変えることができます。


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