日本共産党

2004年6月2日(水)「しんぶん赤旗」

国会の視点

年金改悪法案 4日成立狙う自公

不信取り除くには撤回を


 自民、公明両党は野党が求めていた公聴会開催も拒否し、三日の参院厚生労働委員会で採決し、四日の参院本会議で可決・成立を狙っています。

 与党は、年金改悪法案の中央公聴会について五月三十一日の参院厚生労働委理事懇でいったんは開催に努力することを約束しながら、一日の同理事懇で拒否。自民、公明両党が前日に確認した「四日成立」を押し通すために、公党間の約束をほごにする姿勢を示しました。

 「百年安心」という年金法案の「看板」の偽りが明らかになり、世論調査で“今国会成立反対”が軒なみ六―七割を占めるなか、国民から広く意見を聞く場である中央公聴会も開かず、数の力で採決を強行しようという態度は、二重、三重に国会と国民をあざむくものにほかなりません。

偽りの説明重ね

 年金改悪法案をめぐって政府・与党は、これまでも再三、国会と国民をあざむいてきました。

 「給付水準は現役世代の50%を確保」という看板は、受給が始まる六十五歳時点だけで、実際には40%にまで落ち込むことが判明しました。政府・与党は「なぜ衆院で説明しなかったのか」と追及されると、「議論した」という答弁ではぐらかそうとしました。

 しかし、日本共産党の小池晃政策委員長の追及に、小泉純一郎首相も「聞かれれば答える」と答弁。坂口力厚労相も「何パーセントとかは言わなかった」とのべ、説明してこなかったことを認めざるをえなくなりました。

未納問題も隠ぺい

 国民の不信を増大させた国会議員、閣僚の年金未加入、未納問題でも、政府・与党は、隠ぺいと偽りを繰り返しました。

 年金を担当する森英介厚生労働副大臣は未納の事実を衆院通過まで一カ月以上も国民にひた隠しにし、坂口厚労相も早くから報告を受けながら衆院通過後まで放置してきました。責任を問われても「法案の成立に全力あげることが使命」(森氏)と居直るありさまです。

 自民党は所属議員の年金納付状況の公表について、法案を出している与党として特別に重い責任があるにもかかわらず、「議員個人が判断すべき」(小泉首相)として拒否し続けています。

 こうしたもとで採決を強行することは、国民の政治不信、年金不信を増幅させ、年金制度の土台を根本から崩す以外の何ものでもありません。

 マスコミからも「法案をまともに審議する環境は失われた」(「東京」社説、五月十五日付)、「国民的議論が広がり始めたばかりである。審議時間がなければ、なおさらのこと、いったん政府案を白紙に戻してやり直すべきだ」(「毎日」社説、五月三十日付)との論調が相次いでいます。

 日本共産党は、年金問題で国民の信頼を回復するためとして、(1)国民を偽る年金改悪法案の撤回(2)自民党の全議員の加入・納付状況の公表(3)特権的な国会議員互助年金制度の見直し――を提起しました。国民の年金不信、政治不信をとりのぞくためには、年金改悪法案はいったん撤回し、本当の年金改革のための国民的議論をはじめるしかありません。山岸嘉昭記者


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp