日本共産党

2004年6月2日(水)「しんぶん赤旗」

“無駄な高速道路” どうなったの?


 〈問い〉 小泉首相は「無駄な高速道路はつくらない」と言っていたと思いますが、どうなったのでしょう?

 〈答え〉 小泉内閣は、道路公団「改革」を、構造改革の目玉として位置づけ、小泉首相も当初は、道路公団を民営化すれば「無駄な高速道路はつくらない」と言ってきました。

 この“無駄な高速道路”とは「有料道路として採算のとれない高速道路」を指していました。ところが、昨年の通常国会で、国と地方の税金でつくる直轄(ちょっかつ)方式を導入し、有料道路として採算のとれない高速道路も建設する仕組みをつくってしまいました。

 そして、昨年末の国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)で、高速道路整備計画路線(9342キロ)の残り約2000キロについて、結論として、抜本的見直し区間(5区間・143キロ)を除き、すべて建設を継続することを決めました。

 抜本的見直し区間も、高速道路建設を中止するのではなく、道路の規格やルートを変えて、建設を続けることになります。

 高速道路計画を無駄かどうか判断するのは、新たな事業評価手法で再評価します。高速道路ができることによって、走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少の3項目を費用に換算して、建設事業費よりも大きければ、すべて建設を継続します。

 ここには、採算性による判断は含まれません。もちろん、大気汚染被害や自然破壊など環境や景観、まちづくり、住民への悪影響などのマイナス要因は、計画の評価にいっさい入りません。京都市内や奈良などの高速道路計画が、歴史的景観・遺産を破壊するのは目に見えています。まさに「建設先にありき」となる評価手法をあらためる必要があります。計画はいったん凍結したうえで、計画策定段階からマイナス要因を加味した再評価による抜本的な見直しこそ、無駄な高速道路をなくすことになります。(

 〔2004・6・2(水)〕


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