2004年6月2日(水)「しんぶん赤旗」
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【クアラルンプール=北原俊文】マレーシアのアブドラ首相は一日、クアラルンプールで開催中の第十八回アジア太平洋円卓会議で基調演説をし、国際問題の解決には国連が中心的役割を果たさなければならず、イラク問題は国連を中心にイラクの主権を全面回復しなければならないと強調しました。
同首相は、「イラク問題は国際問題で国連が果たしている中心的、不可欠の役割を教えた」「国連を無視するのではなく、弱点を改め、長所を強化すべきだ」と指摘。「国連だけが国連憲章第三九条に基づく法的権威をもっており」「どの一国も、国家連合も、この法的権利をもっていない」「この権利を一方的にわがものと主張するならば、世界の大多数の国家と国民の共感と支持を失う」と述べました。
アブドラ首相は、イラク問題解決の基本方向として以下の四点を挙げました。(1)イラク国民に「全面的」主権が与えられた後、イラク国民は政治、経済、安保のすべてにわたり全面的主権を行使する。外国軍は、イラク政府の希望と特別の要請によってのみ残留する(2)イラク国土に駐留するどの外国軍も、国連が権限を与えた多国籍軍の一部でなければならない(3)イラクが自国の安保問題を扱うのに十分な自前の能力を発揮することが絶対的に不可欠だ(4)暫定政府と国民顧問評議会が、信頼できる独立の機関と認められ、多様なイラク人多数の信頼を得ることが決定的だ。
日本共産党の代表として同会議に出席している森原公敏幹部会委員・国際局次長は、アブドラ首相の演説終了後、同首相とあいさつをかわしました。