2004年6月4日(金)「しんぶん赤旗」
「やめろー」「質問の途中だぞー」と野党議員からあがる抗議の声。自民、公明両党は三日午後の参院厚生労働委員会で、予定されていた日本共産党などの質問を一方的に打ち切り、十数年にわたって国民に負担増と給付減を強いる年金改悪法案を強行採決しました。国民大運動実行委員会は、参院議員面会所で緊急の抗議行動。日本共産党の市田忠義書記局長があいさつし、「採決は無効だ。みなさんと一緒に満身の怒りを込めて抗議したい」と表明しました。自民、公明両党は四日の参院本会議で法案成立を狙っています。
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参院厚労委はこの日、午前に一般質疑、午後からは小泉純一郎首相も出席して締めくくり質疑に入りました。採決を行うことは開会前の理事会で議事日程として確認されておらず、今回の事態は議会制民主主義を二重三重にふみにじるやり方です。
日本共産党の小池晃議員の質問が始まる前の午後三時すぎ、自民党の伊達忠一議員が突然、質疑を打ち切って直ちに採決することを求める動議なるものを読み上げ始めました。公明党議員の質問が終了する直前でした。
野党議員が抗議の声をあげるなか、国井正幸委員長(自民)の採決をとる声がまったく聞こえないなかで、与党委員が挙手を繰り返して散会しました。
午後からの質疑では小泉首相が、年金改悪法案の要である「マクロ経済スライド」について答弁できず、委員会がたびたび中断しました。公明党議員の質問中、官邸の山崎正昭官房副長官が自民党議員に耳打ちしたあと、自民党理事や国井委員長らを室外に連れ出して戻ってきてからの暴挙でした。
公明党の質問後には、小池議員、社民党の福島瑞穂議員、無所属の西川きよし議員らの質疑が決まっていました。
小池議員は議員面会所での抗議行動で「これ以上ひどい民主主義の破壊はない。法案の賛否をこえて許せないとの声をあげていこう」と訴えました。
参院の日本共産党、民主党、社民党の三野党国対委員長は強行採決後、倉田寛之議長に対し、法案を委員会に差し戻し、奪われた審議権を保障するよう申し入れました。