日本共産党

2004年6月5日(土)「しんぶん赤旗」

米CIA長官、辞任へ

大量破壊兵器ねつ造イラク人虐待関与

批判うけ事実上更迭


 【ワシントン=遠藤誠二】ブッシュ米大統領は三日、テネット中央情報局(CIA)長官から二日、「個人的な理由」で辞表が提出され、受理したと発表しました。イラク侵攻の口実となった大量破壊兵器をめぐる情報ねつ造問題や、アブグレイブ収容所でのイラク人虐待へのCIAの関与疑惑、同時多発テロ以前の対策の不備で同長官への批判が絶えなかったことから、十一月の大統領選を前にした事実上の更迭です。

 テネット長官は、クリントン政権時の一九九七年に副長官から昇格し、民主・共和党両政権にまたがって、その職を七年間務めてきました。七月十一日に辞任し、その後はマクローリン副長官が長官代行となる予定。

 ブッシュ大統領は三日、「彼は対テロ戦争において強力な指導者だった」とコメントしました。

 同長官は、昨年一月の大統領の一般教書演説に、イラクのフセイン政権がアフリカからウランを購入しようとした、との偽の情報を盛り込むなど、イラクの大量破壊兵器にかんする虚偽・誇張情報で常に批判の矢面に立たされてきました。

 民主党のペロシ下院院内総務は三日の記者会見で、「テネット長官の辞任だけがイラクをめぐる情報問題の失敗に対する答えとなってはいけない」と発言し、政権指導部への責任追及が必要だとの考えを示しました。


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