2004年6月7日(月)「しんぶん赤旗」
【パリ=浅田信幸】第二次世界大戦で米英などの連合軍がナチス・ドイツ軍を破り戦局の大転換をもたらしたノルマンディー上陸作戦六十年記念式典に参加する機会にパリを訪問したブッシュ米大統領に対し、同市で五日夕、左翼政党や平和団体などの呼びかけで、二万五千人(主催者発表)が抗議デモを行いました。
「イラク人に自由と主権を 占領軍撤退、中東に平和、正義、民主主義を」の横断幕を先頭にデモ隊は、フランス革命で名高いバスチーユ広場から東駅まで三キロ弱を行進しました。
先頭に立って行進した平和運動全国評議会やフランス共産党、革命的共産主義者同盟、人種主義反対・諸民族友好運動(MRAP)などの指導者たちは、「イラク戦争反対を表明しないまま、ブッシュ大統領の訪問をやり過ごすことはできない」などと口々に語りました。
若者たちが大半を占めた行進者たちは、「ブッシュ、テロリスト、ナンバーワン」「ブッシュは民主主義の敵だ」などと書かれたプラカードや、「米軍はイラクから出て行け」のスローガンを書いた横断幕を持って、歌をうたい元気いっぱい。
「戦争に反対する米国人」の隊列にいたロバート・モール氏(55)は「フランス解放とイラク解放を一緒にする試みには反対だ」と強調。中小企業の経営者だというビルジニー・マランさん(46)は「ブッシュは戦争犯罪人。米国人を代表しているとは思わない」と語りました。