2004年6月8日(火)「しんぶん赤旗」
「よびかけて2人間のほこり 九条を 世にひろめんと この一筆にこめ」。アメリカのイラク侵略と自衛隊のイラク派兵…。憲法九条の危機にたちあがった女性がいます。「平和の憲法を守る日本共産党を参院選挙で勝たせたい。そのためには、『しんぶん赤旗』を多くの人に読んでもらわなくては」と「しんぶん赤旗」を三十五人に広げています。
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東京・大田区に住む野崎節子さん(78)。日本共産党東矢口支部の党員です。野崎さんは、冒頭紹介した短歌をことしの年賀状に一筆一筆ていねいに書きました。約百七十人に出しました。
この二年ほど体調などがすぐれず、「パワーが少なくなっていた」という野崎さん。昨年来、二つのことで「頭に喝(かつ)を入れられました」。一つは、アメリカなどのイラク侵略戦争や自衛隊のイラク派兵。もう一つは、総選挙での日本共産党の後退でした。平和の憲法が危機にさらされています。
大事な局面だ、なんとかしなければ、そんな思いでした。
一月の党大会での「参院選の勝利へ総選挙比130%の読者拡大」の提起に「よっし」と思いました。
党支部で、党大会決定の学習をしました。入党四年の女性党員(76)が、まず隣の人から訴えようと活動を開始。小学校PTAで一緒だった人などに広げてゆき、自宅から直径百メートルの範囲で十人以上に読者になってもらいました。はじめは、購読を訴えるとき、緊張で足がふるえたといいます。
野崎さんは、そうした行動にも励まされ、年賀状をもらった人たちに「しんぶん赤旗」の見本紙を送り、届いたころに電話で購読を訴えました。
職場の同僚だった女性に「お元気なの」と電話し、自民党、公明党、民主党が憲法を改悪しようとしている情勢を話しました。
「あなたは、どう思う?」。そう聞くと、彼女は、憲法九条はもう変えたほうがいい、もう古くなった、国際貢献しなくてはという考えでした。「共産党は何でも反対だから」とも。参院選挙では、棄権するともいいます。
野崎さんは戦後の世界で憲法九条の果たしている役割、北東アジアの平和を築く道を話しました。そして、日本をより良い方向にかえるための判断資料として真実を報道する「しんぶん赤旗」を読んでいただけませんかと話しました。
彼女は読者になりました。
終戦直後から約四十年間、第一勧業銀行に勤めた野崎さん。知り合いはたくさんいます。
「新聞は駄目という人もいましたが、ほとんどの人が支持を約束してくれました」と野崎さん。
地域では自衛隊派兵反対の署名運動で知り合った人にも「しんぶん赤旗」購読を勧めました。
二月は十人、三月は八人。四月、九人。五月は七人。六月は一人…。読者の輪が広がっています。
東矢口支部は、互いに励ましあって活動しています。
「社交ダンスサークルの仲間が『君は共産党員か』というから『そうだ』といって購読を訴えたらとってくれました。はっきりと日本共産党と名乗って訴えれば、訴えられた人も真剣に受けとめてくれます」と、同支部の福田武三さん(77)。
支部は、五月に前回総選挙比130%の「しんぶん赤旗」読者に見合った普及をしました。今「150%」を目指してがんばっています。
藤原義一記者