日本共産党

2004年6月10日(木)「しんぶん赤旗」

安保理 イラク新決議を採択

「国連の主導的役割」を明記

米英軍の駐留は継続


 国連安全保障理事会は八日、イラク暫定政府への六月末までの「主権移譲」と「占領終結」を承認し、米主導の連合国軍が「多国籍軍」として一定の条件付きで駐留することを認める決議一五四六を全会一致で採択しました。

 決議はまた、来年一月の選挙による移行政府選出、同年末までの正式政権発足を実現する日程を承認。その過程で国連が「主導的役割を果たす」ことを明記し、国連イラク支援団(UNAMI)が国民会議の開催や選挙の実施、新憲法起草などで支援するよう求めています。

 米英両国が五月二十四日に原案を示して以来、実体を伴った主権移譲の確保を求める諸国の要求で、四回の修正が加えられました。イラク戦争に反対した仏ロ中独などの理事国は、(1)多国籍軍の駐留期限を明確にする(2)軍事・治安面を含めたイラクの決定権、多国籍軍の軍事作戦への拒否権を認める―ことを主張。決議は、多国籍軍の駐留はイラク正式政権発足までとし、暫定政府も撤退を要求できるとしました。

 しかし、多国籍軍の軍事活動について、イラク政府が拒否できることは盛り込まず、また同軍の主導権は米軍が握り続けることになっています。

 八日の安保理で、ヤニェス・スペイン大使は「理想的な決議ではない」、ドラサブリエール仏大使は「(多国籍軍の作戦にイラクが)不同意の場合の規定」も盛り込んだ方がよかったと発言。

 「主権政府が実際にどう実現されるか注視すべきであり、決議採択をもって暴力行為が自動的にやむわけではない」(ムニョス・チリ大使)、「未来は依然、危険と不安に満ちている。決議でそれらすべてを除去することはできない」(バアリ・アルジェリア大使)など、真の主権返還は今後の取り組みにかかっているとの発言が出ました。


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