2004年6月11日(金)「しんぶん赤旗」
衆院憲法調査会は十日、今国会のまとめの自由討議を行いました。
自民党の保岡興治議員は、同党憲法調査会の議論として、改憲手続きの整備のため、「憲法改正案」の発議権を持つ憲法委員会の国会設置と、「憲法改正国民投票法」の整備を強調。さらに、憲法「改正」のための国会発議の要件を現行の「各議院の三分の二以上」から「二分の一以上」に緩和すべきだと主張しました。
民主党の枝野幸男議員は、九条をめぐって「集団的自衛権の問題と国際機関への協力の問題は整理して議論すべきだ」とし、国連の軍事活動に協力する方向を示しました。
公明党の太田昭宏議員は、九条堅持を強調しましたが、同党の赤松正雄議員は、九条に三項を追加して、一・二項の解釈を明確にするという意見や、段階的に改憲を進めるという意見があるとのべました。
日本共産党の山口富男議員は、平和・人権・民主主義の憲法原則を二十一世紀の日本の国づくりに生かすとの党の立場を表明。
「問題は、この憲法が国政の土台にすえられないばかりか、ないがしろにされている」として、小泉首相が多国籍軍に自衛隊を参加させると表明したことは「従来の政府見解に照らしても憲法に反したもの」と批判しました。
また、「ポスト憲法調査会」や「憲法改正国民投票法」についても「改憲は求められておらず、具体化の必要はない」とのべました。