2004年6月12日(土)「しんぶん赤旗」
【サバナ(米ジョージア州)=遠藤誠二】米ジョージア州で開かれていた主要国首脳会議(シーアイランド・サミット)は十日、議長総括を採択し閉幕しました。イラク問題をめぐっては、総括は国連安保理が採択したイラク新決議を歓迎し、結束を強調しました。しかし、戦争と占領を進めた米英両国とフランスなど欧州諸国の溝は深く、対立を引きずったまま終了しました。
議長総括は、イラク問題で「復興をめざすイラク国民と完全な主権をもった暫定政権を支持するため一致団結する」と表明しました。
十日にフランスのシラク大統領と会談したブッシュ大統領は、北大西洋条約機構(NATO)軍のイラク派遣を話し合ったものの、仏側は拒否。「最終的な確約どころか、それを模索することもなかった」(米高官)というように、不首尾に終わりました。
ブッシュ大統領はサミット閉幕後の記者会見で、「より多くの部隊をNATOに期待するのは非現実的」と述べ、提案を事実上撤回しました。
シラク大統領は会見で、「(イラク)戦争の必要はなかった」と言明、イラク問題をめぐる米欧対立の深さを浮き立たせました。多国籍軍への自衛隊派遣を表明した小泉首相の対米追随は突出したものでした。
次回の首脳会議は来年、英スコットランドで開かれます。