日本共産党

2004年6月13日(日)「しんぶん赤旗」

公団が都市再生機構に どうなるの?


 〈問い〉住宅公団が整備公団になり、今度はその公団もなくなり、都市再生機構になると聞きました。老後のこれから、住み続けられるのかどうか不安でたまりません。どうなっていくのですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 昨年6月、長年「公団住宅」の名で76万戸に及ぶ住宅を供給してきた都市基盤整備公団を廃止し、独立行政法人「都市再生機構」を設立する法律が成立。この7月「機構」が発足します。

 新「機構」の主な仕事は「都市再生」事業が中心です。この「都市再生」事業とは、住民が望むまちづくりではなく、大企業の工場跡地などを活用した大規模な都市再開発のことです。

 賃貸住宅建設からは完全撤退し、「機構」が基盤整備などをおこなった後、民間住宅が建設されない場合だけ例外的に住宅を建設するとしています。「機構」移行後、旧公団の居住者の家賃収受などの業務は当面おこないますが、管理業務は現在よりさらに外部化されます。

 家賃は従来どおり3年ごとに見直され、民間並み家賃とされます。しかし、「機構」は独立行政法人になり、3年〜5年たったら事業内容を見直し、継続するかどうかを判断する措置がおこなわれるため、従来の公団以上に採算を第一義とすることになり、家賃値上げなど居住者負担をいっそう強めることが懸念されます。

 また、現在進行中の「昭和30年代」団地の建て替えはおこなうとしていますが、建て替え後住宅に入居希望する戸数しか建設せず、余った敷地は民間に売却するとしています。

 こうしたことから「機構法案」が採決された際、衆・参院付帯決議で、「居住者の居住の安定を図る」「家賃が低所得の高齢者等の居住者に対して過大な負担とならないよう配慮する」などが盛り込まれました。

 公団の財務分析の結果、賃貸住宅部門の黒字(約422億円、金利支払い後)が、市街地開発部門の赤字(約945億円)に回されていることが明らかになりました。「黒字を家賃値下げや修繕費に回せ」との声をあげていきましょう。(

  〔2004・6・12(土)〕


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