2004年6月15日(火)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の小泉親司議員は十四日午後の参院イラク有事特別委員会で、イラクでの多国籍軍への自衛隊参加は、従来の政府解釈からみても憲法違反だと追及しました。
小泉氏は、国連安保理決議一五四六が、多国籍軍について「統一した指揮の下」にあり、「あらゆる必要な措置をとる権限をもつ」として、武力行使を伴う任務・目的をもっていることを指摘しました。
そのうえで、一九九〇年に政府が示した統一見解では、多国籍軍への「参加」とは「(多国籍軍の)司令官の指揮下に入り、その一員として行動することを意味」し、「(多国籍軍の)任務・目的が武力行使を伴うものであれば、…憲法上許されない」としていたことを、パネルも使って示しました。
また、小泉純一郎首相も五月に、「私は武力行使を目的とする多国籍軍に日本は自衛隊であれ、どのような組織であれ参加することはしない」と明確に国会で答弁していたことを指摘し、「武力行使を含む多国籍軍になぜ自衛隊が参加できるのか」と追及しました。
首相は、多国籍軍の目的に「人道復興支援活動も含まれている」とし、「日本は人道復興支援活動(をおこなう多国籍軍)に参加する」とのべ、この日午前の委員会で秋山收内閣法制局長官が「『参加』はできない」とした見解と矛盾する答弁をしました。
小泉氏は、首相の答弁と「法制局長官がいっていることが全く違う」と指摘。多国籍軍の任務・目的に人道復興支援が含まれていても、武力行使が入っていれば、これまでの政府見解からいっても、憲法上、参加できないとしていたことを重ねて強調。もともと自衛隊の海外派兵は憲法上認められないとのべ、さらに「あなた方(政府)が解釈してきたことさえ踏み破って多国籍軍に参加するなど、言語道断だ」と批判しました。