2004年6月15日(火)「しんぶん赤旗」
【パリ=浅田信幸】欧州連合(EU)二十五カ国で十―十三日に投票が実施された欧州議会選挙は十三日、一斉に開票作業が始まり、イラク派兵国ではイラク問題が重要な争点となり、「派兵反対、撤兵」を求める各国民世論が明快な審判を下す選挙結果となりました。
ブレア政権が米国とともにイラク戦争を進めた英国では、同時に実施された地方選挙と同様、与党・労働党が大幅に後退しました。米英に次ぐ三千人の部隊を派遣しているイタリアでは、ベルルスコーニ首相の「がんばれイタリア」が十年前の結党以来で最低レベルに低落しました。
EU新規加盟のポーランド、ハンガリー、チェコでも、イラク派兵を進めた与党が後退し、反対を唱えた野党が前進しました。イラク戦争を積極的に支持し、イラク占領の一区域で指揮権を米国から委ねられたポーランドでも与党が低迷。ベルカ首相代行も「国民の大多数は撤退を望んでいる」と認めました。