2004年6月15日(火)「しんぶん赤旗」
|
日本共産党静岡県委員会は参院選目前の十三日、静岡市グランシップで不破哲三議長を迎えて演説会を開きました。「不破さんの話を一度聞きたかった」という人など、会場まで三時間半かかる伊豆半島南端や愛知に隣接する湖西市をふくめ、県全域から大型バス・マイクロバス計九十一台が詰めかけ、過去最高の五千人が参加し、会場は熱気であふれました。
この参加者数は、二〇〇一年の参院選の際、不破議長を迎えて同会場で開いた党演説会の四千五百人を大きく上回りました。会場では、手話通訳だけでなく、弁士の話が要約筆記され、大きな字幕に映し出されました。
不破議長は、年金問題やイラク問題、日朝交渉問題など国政・外交の争点と改革の道筋を示しました。
不破議長はこのなかで、小泉首相が、ブッシュ米政権いいなりに憲法に背をむけて自衛隊をイラクに派遣しただけでなく、アメリカ占領軍の「多国籍軍」への衣替えの方針が決まると、国民や国会に相談することなく、ブッシュ大統領にさっさと「多国籍軍」参加を約束してしまったことを、「限りないアメリカいいなり政治」として、きびしく批判しました。
つづいて不破議長は、アメリカには次の注文があり、それは海外派兵からさらに一歩すすめて、「アメリカといっしょに戦争のできる海外派兵」に踏み出すことだと指摘。昨年総選挙で、自民党と民主党がともに「憲法改定」の旗をかかげた背景には、このアメリカの注文があると強調。「いま、やめなければならないのは憲法第九条ではない。アメリカいいなり政治の根源となっている日米軍事同盟、安保条約ではないか」との訴えに、会場からは「そうだ」の声とともに、大きな拍手がおこりました。
不破議長はさらに、六月十日、作家の大江健三郎氏、評論家の加藤周一氏ら著名九氏のよびかけで「九条の会」が発足し、憲法改悪に反対する訴えを発表したことを紹介。会場いっぱいの拍手のなかで、「日本の知性と良識を代表するこのよびかけは、憲法を守る運動の発展の大きな転機となるもの。これにこたえて憲法を守る国民の大運動を広げよう」と訴えました。
静岡健生会の井田正彦理事長、静岡県宗教者平和懇談会の小野和典事務局長(僧侶)、塩沢忠和・元静岡県弁護士会会長があいさつし、笠井あきら参院比例候補、しまづ幸広選挙区候補が力強く党への支援を訴えました。
静岡市の男子学生(24)は「公共事業削減や納税者憲章の大切さなど税金の使い方を変える具体的な話が聞けてよかった。自民、公明、民主と違いもよくわかった。国民のために真剣に考えている政党だ」と語っていました。「九条の会」の活動について「会の趣旨に同感。今後の日本を左右する重要な問題です」との感想も。島田市の森茂樹さん(38)は「会のことを初めて知りました。イラクに自衛隊が出されている今こそ、憲法九条を守る活動が必要なときだと思いました」と話していました。