2004年6月15日(火)「しんぶん赤旗」
【ニューデリー=小玉純一】訪米中のシン・インド外相はワシントンで十二日、インド軍のイラク派兵はないとの見解を示し、この問題を再検討すると報じられた十日の発言を事実上否定しました。外相は「インド軍のイラク派遣の問題は起きていない」「政府の立場は(米英軍撤退を求めた昨春の)国会決議に反映された国民合意に基づいている」と記者団に語り、外相として派兵しない立場を明らかにしました。
また、政府を閣外から支持するインド共産党(マルクス主義)のスルジート書記長に自らの発言について説明したと述べました。
シン外相は十日、パウエル米国務長官との会談後の共同会見で、イラク派兵に反対する昨年の国会決議を想起しながら、「今や情勢が変わった。安保理決議が全会一致で採択された。われわれは注意深くそれを考察する」と発言。インド共産党(マルクス主義)や一部メディア論説は「派兵再検討だ」と即座に批判していました。
一方、有力英字紙インディアン・エクスプレス十三日付は、医療部隊と、その護衛部隊の派遣計画が政府部内にあると報じました。