2004年6月15日(火)「しんぶん赤旗」
|
イラクで戦闘に巻き込まれ負傷した左目の治療のため来日、手術を受けたモハマド・ハイサム・サレハ君(10)は十四日、静岡県沼津市の聖隷沼津病院を退院しました。十一日の手術後の経過は順調といいます。
モハマド君は傷ついた眼球内の水晶体(カメラのレンズに相当)の一部が白く濁り、外からの光が網膜に届きにくくなっていました。そのため水晶体すべてを取り除くなどの手術を同病院で受けました。数カ月後、コンタクトレンズなどで矯正すれば、かなりの視力が期待できるといいます。
モハマド君は同日午後、来日実現のため奔走し、イラクで殺害された橋田信介さん(61)の妻、幸子さん(50)とともに沼津市で記者会見し、「目医者になりたい」と将来の夢を話しました。幸子さんは「(イラク情勢は不安定だが)生き延びて、橋田の目の代わりに世界を見てほしい」とほほ笑みました。