2004年6月16日(水)「しんぶん赤旗」
十五日は、自民、公明両党が成立させた年金給付削減法(三月成立)で前年より0・3%減らされた年金の最初の支給日です。高齢化の進む埼玉県草加市の松原団地(人口一万二千人)でも、郵便局や銀行にきた高齢者は減額に怒りました。そのうえに給付水準を実質三割以上減らす今回の年金改悪。日本共産党が提唱する「改悪年金法廃止法案」への賛否についてシール投票してもらうと、応じた三十二人全員が「賛成」でした。
年金の減額は0・9%減らした昨年度に続き二年連続。二〇〇三年の消費者物価指数がマイナス0・3%だったことを理由に、十五日支給の四、五月分から0・3%減りました。対象となる年金受給者は国民・厚生・共済など二千九百五十万人に及びます。
東武伊勢崎線「松原団地」駅前の銀行に午前八時半すぎ、六十代の男性が並びました。午前九時。銀行のシャッターが開くと一番に年金を引き出しました。「月にすると五百円くらい少なくなっていた。痛いね。おまえたちは勝手に死んでしまえと言われているようだ」と話します。
銀行と同じ並びの郵便局から出てきた青木満雄さん(70)=同市=も「年金だけで食べているのに減らしてばっかり。だいたい税金を違うところに使ってる。イラクに自衛隊出すのも国民の税金。とんでもないですよ」といいます。参院選挙は、と問うと「年金でみんな怒ってる。与党はだめ。今度は変わるんじゃないの」。
自宅のローンを完済しに銀行にやってきたという川口市の主婦(58)。度重なる改悪で、夫(64)の年金は現役時代の予測をはるかに下回る月二十四万円。「この先どうなるか分からないから、貯金をかき集めて払ったの」
去年の総選挙は町会役員仲間に頼まれ民主党に投票しました。「だけど消費税上げるといってるでしょ。あれは痛いよね。今度の選挙はいろいろ考えて投票しなきゃと思っているの」といいます。
七年前に夫を亡くして「年金だけがたより」という五野井幸子さん(62)=草加市=は「どんどん減らされたら(公団の)家賃を払ったら、残りの年金はわずかになってしまいます。どうにかしてほしい」。
日本共産党の「最低保障年金制度」の提案には大賛成。「共産党さん応援していますよ」と期待を語りました。