2004年6月16日(水)「しんぶん赤旗」
日銀が十五日発表した資金循環統計(速報)によると、二〇〇三年度の家計部門は二兆一千九百二十七億円の資金不足(赤字)になりました。
一九六四年の調査開始以来、年度基準で家計が「赤字」になったのは初めて。一年間で得た家計所得では消費や投資に振り向ける資金が賄えないことを示しており、雇用不安や所得減が続く中、国民が貯蓄を取り崩してしのいでいることが数字の上でも明らかになりました。
他の部門では、金融機関を除く法人が二十九兆三千五百十四億円の資金余剰、国と地方自治体を合わせた「一般政府」が三十六兆一千六百十四億円の資金不足でした。
〇三年度末の個人金融資産は千四百十二兆円で、前年度末の千三百六十九兆円から増加。株価上昇による保有株式の値上がりが影響しているとみられます。
資金循環統計 経済活動に伴うお金のやりとり、その結果として保有する現金や預金などを包括的に記録した統計のこと。日銀が四半期ごとに発表します。部門(経済主体)別と取引項目(各金融商品)別に取引額あるいは資産・負債残高を記録しています。