2004年6月16日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 貴党の参院選政策の、少子化対策の項に、「パパ・クォータ制」の導入をすすめる、とありますが、どんな制度ですか? (東京・一読者)
〈答え〉 パパ・クォータ(QUOTA=割り当て)とは、ノルウェーが1993年、世界で初めて実施した育児休業を男性に義務づけた制度です。同国では、公的機関は一方の性が40%を下回ってはいけないというクォータ制を、男女平等法で定めており、パパ・クォータ制はその家庭版です。
ノルウェーの育児休業は42週間で、給料は100%支給です。この育児休業の最低4週分を父親に義務づけるのがパパ・クォータ制です。
男性が育休を取らなければ育休期間自体が男性取得義務の4週分少なくされる仕組みで、この制度を実施した結果、資格を持つ父親の約80%が育休を取り、「子どもとのよい関係の基盤となった」などの感想が聞かれるといいます。
スウェーデンでも02年から、育児休暇が450日↓480日となり、父親の割り当て育児休暇が30日↓60日に延長されています。
一方、日本では、育休をとると昇給・昇格に影響し、育児休業中の所得保障も低い(給与の約4割)ために、男性が育児のために休むのはむずかしく、育児休業の取得率は0・33%と国際的にみても著しく低くなっています。
急速にすすむ少子化社会を克服するためには、男女とも長時間労働をなくし、家庭生活との両立ができる働き方にすることが不可欠です。
政府は今国会に育児介護休業法の改正案を提出しましたが、男性の育休取得をすすめる条項はありません。
日本共産党は今回の参院選政策で、育児休業を男女ともとりやすくするために、育休中の賃金保障の6割への引き上げ、代替要員の確保、職場への原職復帰などをすすめるとともに、とくに男性が家族の一員としての責任が果たせるように、「パパ・クォータ制」の検討を提案しています。(喜)
〔2004・6・16(水)〕