2004年6月17日(木)「しんぶん赤旗」
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自民、公明両党がまとめた教育基本法「改正」に関する中間報告について、日本共産党の石井いく子国会議員団文部科学部会長は十六日、「自民、公明の教育基本法『改正』合意を批判する」と題する談話を発表しました。
一、本日、自民、公明の与党幹事長らが、教育基本法の「全部改正」をおこなうとする「中間報告」をだしました。
一、「人格の完成」を教育の目標にし、平和の憲法の「理想の実現」をかかげた教育基本法をかえる理由はありません。むしろ、長年自民党政府が「人格の完成」や「教育行政による教育の支配の禁止」などの基本法の精神を投げ捨て、世界にも例のない「競争と管理」の教育体制をつくってきたことこそ、いじめや暴力などの教育荒廃をうんだ原因の一つです。いま求められているのは、基本法の根本精神を教育の土台にすえることです。
一、基本法にもりこむという「教育振興基本計画」は、政府が中長期的な「教育目標」を決めて教育現場に指示するなど、政治による教育介入に法的根拠を与えるもので、断じてみとめられません。
一、与党は教育の目的に「愛国心」をすえるとしたうえで、文言を、「国を愛する」にするか「国を大切にし」にするかは、参議院選挙後に結論をだすとしています。しかし、愛国心は本来、国民一人ひとりの見識や社会の自主性にゆだねられるべきものです。政府が法律で上から押しつけるやり方は、民主主義の原則と相いれません。それをあえて基本法にもりこむことは、最近の入学・卒業式における処分をふりかざしての「君が代」「日の丸」の異常なまでの強制にみられるように、強制の教育を全国にひろげようという意図をもつものといわなければなりません。
一、教育基本法改悪にふみこんだ自民、公明の責任は重大です。また民主党の少なくない議員が、自民党議員と一緒になって、「新教育基本法」案づくりに関与していることも重大です。こうした動きに参議院選挙で厳しい審判をくだすことを訴えるものです。
日本共産党はあらためて、教育基本法改悪を許さない国民的な運動をよびかけます。