2004年6月18日(金)「しんぶん赤旗」
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今年三月の卒業式で「君が代」斉唱の際、起立しなかったために「勤務成績が良好とは認められない」などとして、定年退職後に内定していた再雇用を取り消された都立高校の九人の元教員が、東京都を相手取り採用取り消しは無効として職員・講師の地位の確認と損害賠償を求め十七日、東京地裁に提訴しました。
東京都教育委員会の通達による職務命令は、内心の自由を侵害し違憲・違法であり、命令に反したことが労働契約上、解雇や採用取り消しに必要とされる「合理的な理由」とはいえないと弁護団は主張しています。
提訴後の記者会見で、原告が声明を発表。「時間割も決まった三月末に一片の通知で解雇され、突然働けなくなったのですから、ポッカリ空いた心の空白はなかなか埋まりません。戦争直後、新しい憲法のもとで理想に燃えた教育を受け、自らも『教え子を再び戦場に送るな』をスローガンにしてそれを守り育ててきた三十数年の教育活動にかけても許せません」と述べています。