2004年6月21日(月)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イラク中部ファルージャで米軍が十九日にミサイル二発を民家に撃ち込み、イラク人二十二人を殺害、二十人を負傷させた攻撃は、六月末の主権移譲後に多国籍軍を主導する米軍が侵略・占領軍の本質をなんら変えていないことを浮き彫りにしました。米軍報道官は今回の作戦は「(国際テロ組織)アルカイダに関係するメンバーの隠れ家を狙った」などとしています。しかし、犠牲になったのは、女性や子ども、老人を含む、罪のない民間人ばかりです。
現地からの報道によると、死者のなかには女性三人と子ども五人が含まれています。米軍が、一発目のミサイル爆撃で破壊された民家のがれきから住民が死傷者を救出しているところに二発目を撃ち込んだとの目撃情報もあります。多数の民間人が犠牲になることを十分認識していながら爆撃したことは明らかです。
今回の空爆は、ファルージャでの「停戦」合意に反しています。四月に米軍が同地で行った住民の大量虐殺に対する内外の激しい批判をうけ、同軍は五月初めに同地から撤退することで合意。イラク人部隊が治安の維持にあたっていました。
主権移譲を目前にした米軍の軍事作戦の対象はファルージャにとどまりません。十七日以降、首都バグダッド北東部のサドルシティーや同市北方約五十キロのバクバ近郊などで武装勢力に対し軍事攻勢を強化。三日間で、それぞれ約二十人のイラク人を殺害しました。