日本共産党

2004年6月24日(木)「しんぶん赤旗」

年金改悪法条文にミス

欠陥続発、異例の事態に

厚労省協議へ


 自民、公明両党が強行採決して成立させた年金改悪法の条文にミスがあり、加給年金を支払う根拠がなくなる恐れがあることが、二十三日までに分かりました。

 法案段階では政府説明の“二枚看板の偽り”が問題になり、成立後は制度変更の前提となる出生率の“データ隠し”が明るみになったばかりで、今度は法律にあってはならない条文ミス。欠陥続発に細田博之官房長官が同日午前の記者会見で「政府として大変申し訳ないことだ」と陳謝する異例の事態となっています。

 ミスが指摘されたのは、厚生年金法にある第四四条。厚生年金に上積みして支給される加給年金の根拠を定めた条文で、「前条の規定にかかわらず、同条に定める額に加給年金額を加算した額とする」としています。

 この「前条」とは文字通り四三条のことで、通常の厚生年金の給付のことをさしていました。

 しかし法改悪によって、四三条に新たに二―五がもりこまれたにもかかわらず、四四条を手直ししなかったため、四四条の「前条」とは四三条の五をさすことになりました。もりこまれた二―五は、少子化や平均余命に応じて厚生年金の給付水準を落としていく「マクロ経済スライド」の仕組みが書かれています。

 このため四四条にある「前条」をそのままにした場合、加給年金の支払い根拠を定めた条文とは読めなくなります。厚生労働省もミスを認め、法「改正」の必要を含めて対応を協議中です。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp