日本共産党

2004年6月24日(木)「しんぶん赤旗」

大企業にばかり負担を求めるのは?


 〈問い〉 共産党は、社会保障の財源を「大企業負担で」といいますが、企業の方は「税とか、社会保険料の負担が増えると、国際競争に勝てない」といっています。どう考えますか?(大阪・一読者)

 〈答え〉 社会保障の財源には、公共事業費や軍事費など歳出の見直しとともに、「所得や資産に応じて負担する」という経済民主主義の原則にもとづく税制など、歳入の見直しが必要です。

 なかでも、この間ひき下げられた法人税率や所得税の最高税率を見直し、法人税にゆるやかな累進制を導入することや、外国税額控除などの大企業向け優遇税制をあらためること、その場合も中小企業の負担は現在より重くならないようにする、などが不可欠です。

 しかしこれは、大企業に「世間並みの負担を」といっているわけで、過分の負担をといっているわけではありません。

 日本では、国民所得約380兆円(00年度)のうち、企業の税負担は18・6兆円、社会保険料の事業主負担は28・2兆円で、「税と社会保険料」全体の企業負担は国民所得比で12・3%にすぎません。イギリス16%、ドイツ17・7%、フランス23・6%などにくらべて、きわめて低い水準です。

 日本共産党は「月5万円の最低保障年金」の実現を提案していますが、このための財源を、仮に法人税などの増税でまかなうとしても、この比率は1%程度上がるだけです。

 グローバル化時代で、日本の企業は海外にどんどん出ています。たとえば、日本の2倍の企業負担があるフランスにでたトヨタの会社はフランス国内法に従って税金と保険料を払っています。それでちゃんと国際競争をやっているのです。

 大企業が世間並みの負担の責任を果たす。それによって年金が本当に安心できる制度になったら、経済も草の根からあたたまってくる、そうすれば企業の売り上げだって伸びます。

 そういう大きな視点にたって、企業は社会的責任をちゃんと果たすべきだということを私たちは言っているのです。(

 〔2004・6・24(木)〕


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