日本共産党

2004年6月29日(火)「しんぶん赤旗」

介護保険

大胆な給付抑制を提示

厚労省が社保審に見直し案


 厚生労働省は二十八日、来年度実施予定の介護保険見直し案を社会保障審議会介護保険部会(厚労相の諮問機関)に示しました。見直し案は「給付の効率化・重点化を大胆にすすめていく必要がある」として、急増する介護サービスにたいする給付をきびしく抑制していく方針を打ち出しています。

 見直しは、二〇〇〇年度発足から四年間の検証、将来求められるサービス内容の在り方の両面から検討しました。このなかでホームヘルプなど在宅で受ける介護ケアより、お年寄りをあずかる施設ケアの利用にかたよっているためサービス費用が増えるいっぽうだと問題視。今後(1)施設入所の対象者を「重点化」して利用を狭くしていく(2)介護施設の居住費・食費を介護保険から給付されたうえ年金をもらうのは、社会保障給付の二重取りだから、「給付調整」して居住費・食費は自己負担とする――ことをかかげています。

 また将来の介護サービスの変化に対応した見直しとして、介護予防、痴呆(ちほう)、独居対策を重視。「身体介護」同様に「痴呆介護」がサービスの軸足になるとして、人材、費用を重点的に投入する考えを提示しました。かわって介護の必要度が軽い高齢者(現行「要支援」「要介護1」の対象者)にたいしては「できる限り給付を効率化していくことが求められている」とのべ、削減していく方向をもりこみました。軽度者にたいする現行サービスは実施効果がうすいとして、「予防給付」を目的にして新たなサービス体系に再編成する方針です。


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