日本共産党

2004年6月29日(火)「しんぶん赤旗」

NATO軍派遣せず

首脳会議 米の思惑に仏、独反対


 【イスタンブール=西尾正哉、浅田信幸】二十六カ国に拡大して初めての北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が二十八日、トルコのイスタンブールで開幕し、「イラクに関する声明」「イスタンブール宣言」「首脳会議コミュニケ」を採択しました。

 イラクでの政権移譲の直前に始まった首脳会議で米国は、欧州諸国を含めてイラクへの支援を決め結束を示す構えでしたが、「イラクに関する声明」では、「イラク治安部隊の訓練でイラクに支援を与える」と述べるにとどまりました。

 記者会見したデホープスヘッフェル事務総長は「訓練はイラクの内外で行われる。詳細は同盟国、イラク暫定政権と今後詰めなければならない」と述べ、具体的な内容は今後決めることを明らかにしました。

 イラクの治安維持にNATO軍を派遣することを狙っていた米国は、主要国首脳会議で仏、独の反対で断念。代わってイラク治安部隊の訓練をNATOに担わせようとしました。

 しかし、フランスは、あくまでNATOの旗の下ではなくNATO加盟国がそれぞれ独自に行うものと主張。ドイツは、イラクではなくドイツ国内で訓練を行うと主張しました。これらの主張を反映して声明では、訓練の具体的な詳細を明りょうには述べず、「各国にイラク軍の訓練に貢献することを呼びかける」ものになりました。


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