2004年6月29日(火)「しんぶん赤旗」
高知県須崎市で大規模年金保養基地を運営していた財団法人「グリーンピア土佐横浪」(理事長=吉良史子高知県副知事)の破産が二十八日、決定しました。
厚生労働省所管の特殊法人「年金福祉事業団」(いまの年金資金運用基金)が、国民の年金掛け金を湯水のように使って全国十三カ所に建設した「グリーンピア」は、これまで「土佐横浪」を含め七カ所が運営停止(閉鎖)になっていますが、破産は初めて。
グリーンピア土佐横浪は、土佐市竜地区と、須崎市光松地区の二カ所からなり、百三十五億円かけて建設、一九八七年十月に開業。ところが、宿泊者数は九二年度をピークに減少、九九年一月末には竜地区を閉鎖しました。ことし三月末には、約十一億円の累積債務を抱え、光松地区も閉鎖していました。
この間、建設費二十七億円かけた竜地区を二〇〇〇年八月、四億八千二百万円で学校法人に売却。百八億円かけた光松地区は、須崎市が一億円で購入することを決め、市内の医療法人に運営を委託、宿泊施設付きの高齢者福祉施設と老人ホームとして再開する方向です。
グリーンピア事業では、すでに四千億円近い年金保険料がムダ遣いとなることが明らかになっていますが、「土佐横浪」では、じつに百三十億円近くの年金保険料が食いつぶされた格好です。
同事業は、一九七二年八月、自民党の塩見俊二厚相(参院高知地方区)が構想を発表し、土佐横浪に建設したのをはじめ、全国十三カ所中、八カ所が歴代厚相の地元に建設されています。みずからの“集票”のために、年金保険料を食い物にした自民党政治家の責任は重大です。